未来の街では電力の流れを需要・供給の双方から制御し、最適化する次世代電気網「スマートグリッド」が基盤に。電力会社からの電気に加え、太陽光や風力など再生可能エネルギーを取り入れ、住宅やオフィス、交通システムなど、街単位で用途によって効率的に電力を使い分ける時代が。
未来のクルマは単なる移動手段ではない。電力不足時は電気自動車から住まいへ、電力過剰時は家庭から電力自動車へ電気を供給する「動く蓄電池」に。将来は太陽光発電などでつくった電気を、自宅やコンビニなどで充電可能になるとか。送電ロスが少なくなり、効率的なエネルギー循環が可能に。
電気やガス、水道、家電や住宅設備といった、家の中のインフラをITで一元管理。使用電力や状況をリアルタイムで把握する。例えば晴れた日は太陽光発電を使い、夜は自動でほかの電源に切り替えることなどが可能に。電力使用量から、離れた家族を見守るサービスが当り前の時代になるかも。
家のインフラがITでつながることで、将来的には電気の供給量やニーズに応じて、家電や設備が使用エネルギーを自動制御できるようになるといわれている。例えば、「今月の光熱費は5000円以下」と設定すれば、それを超えないようにクーラーや冷蔵庫などが温度を調整する世界がやってくる。
家同士がネットワークでつながれば、太陽光発電で貯めた電気をお隣さんに貸すといったやりとりが可能に。制度面など実現への課題は多いが、地域単位までネットワークが広がれば、停電時に病院や信号の電気が使えるように各家庭から電気を融通する、といったことも可能になる。
電力網が不安定な米国では、電力の需要調整が必要な際、節電に協力してインセンティブを得る「デマンドデポジット」という取り組みがある。例えば、電力が逼迫したときに電力会社などが各家庭のエアコンを直接制御。各家庭は協力するかわりに金銭を受け取る。日本もそうなる日が来るかも。