工務店の最大の特徴は、地域に密着して小回りのきく営業を行っているところ。
使う建材や設備などを決めて商品化しているところは少なく、家づくりは自由設計で進められるのが一般的だ。だから家族みんなのリクエストにも柔軟に対応してくれるのはもちろん、その敷地の条件や周辺の環境に合わせた家づくりが可能。
その地域の気候風土や交通事情など、地元を知り尽くした会社ならではのきめ細かな提案が期待できる。
自由設計というとコストが高いと思われがちだが、そこは工夫次第。
工務店の家づくりでは使用する部材などが決められていないことが多いため、例えば子供室では普及品を使ってコストダウン、その分リビングはちょっと奮発して…
などと部屋ごとにめりはりを効かせることもできる。自由設計だから、コスト調整の自由度も高いというわけだ。また、その工務店で安く提供できる部材を使えば、さらにコストを抑えられる。
ひと口に工務店といっても、その規模や形態はさまざまだが、基本的には設計・施工からアフターサービスまでその会社で一貫して行うところがほとんど。そのため、最初から同じ担当者が窓口となることが多く、コミュニケーションが取りやすいというメリットもある。
また、会社が近くにあると、入居後のフォローや修繕などにもきめ細かく対応してもらえて、何かと頼りになるという声も多いようだ。
少人数で運営されていることの多い工務店は、個性的な会社が多いのも特徴。
社長のアイデアがデザインや性能に反映されやすく、注文住宅ならではのオリジナリティあふれる家づくりが期待できる。
それだけに、工務店はどの会社を選ぶかが大切だ。地元での経験や実績、近所での評判のほか、HOUSINGなどの情報誌に掲載している実例を見ながら、その会社の得意な工法やデザインの傾向などもチェックしたいポイント。
近所の施工例や現場見学会などに行くのも参考になるだろう。