5年連続で2位となった「梅田」。本調査では、阪神電鉄、阪急電鉄の梅田駅、市営地下鉄の梅田駅を合わせて集計したものを「梅田駅」としている。梅田は多くの路線が集まる巨大ターミナルであると同時に、さまざまな百貨店や専門店が集積する商業の街でもある。さらに、大型最新オフィスが立ち並ぶビジネス拠点としての顔、大阪の2大繁華街「キタ」に隣接するナイトスポットとしての顔ももつなど、多彩な魅力を備えている。
2013年4月に開業した「グランフロント大阪」は新しい梅田のシンボルとして定着、2017年3月1日には、まちびらきから約3年10カ月で来場者が延べ2億人を突破し、関西圏を代表する複合施設として存在感を示している。このエリアはJRの貨物駅跡地の再開発によって誕生した「うめきた」の先行開発区でもあり、隣接する「うめきた2期」の整備計画も動き始めている。また、ヨドバシカメラ横ではホテルを中心とした複合施設の工事がスタートし、周辺エリアを結ぶペデストリアンデッキも一部完成した。
「うめきた」エリアでは基盤整備事業として、JR東海道線支線の地下化と新駅(仮称「北梅田」駅)設置工事がすでに着手され、2023年春の開業を目指している。さらに、2017年5月には地下鉄「なにわ筋線」の計画が正式に発表された。これは「北梅田」駅からなにわ筋の地下を通り、難波周辺で分離してJR線と南海線との直通運転を行うという計画。「新大阪」と「梅田」、「なんば」、そして「関西空港」が直接結ばれることになり、各エリアからも大きな期待が寄せられている。完成は2031年春を目標としている。この計画には阪急電鉄も「十三」~「北梅田」の連絡線建設を検討している。
梅田駅周辺での再開発計画も進捗を見せている。2022年の完成を目指す阪神百貨店の建て替え工事も順調に進み、その姿を徐々に姿を見せ始めた。梅田3丁目の大阪中央郵便局跡地に40階建ての高層ビルを建設する再開発計画は、着工が遅れて2022年度の完成予定となっている。また、梅田から徒歩圏の中津駅では、駅周辺での再開発計画が具体化しタワーマンションが3棟立ち並ぶ街が誕生する予定だ。
梅田周辺の住宅事情だが、実は「梅田」として捉えられる街の範囲は広く、地下鉄中津駅、阪急中津駅、阪神福島駅など近隣の駅や、バス便利用で最寄駅を「梅田」として分譲されている新築マンションも多い。こうした周辺エリアからは徒歩や自転車による移動もできるうえ、必要に応じてタクシーなどを利用すれば「梅田で暮らしている」という実感は得られるはず。都市での暮らしを満喫できる住宅の選択肢は想像以上に多いのだ。
家賃相場について見ると、賃貸マンションは1K・1DKで平均6万5000円、1LDK・2K・2DKは9.8万円、2LDK・3K・3DKは12.8万円。また、新築分譲マンションの購入価格は、3600万円~、中古マンションは850万円~となっている。(SUUMO掲載情報より抜粋、2017年7月9日時点)
大阪の中心駅として、梅田の存在感はこれからも揺るぎないものであり続けるだろう。