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人と人との出会いを紡ぐ「開かれたシェアハウス」

開いたスペースとオーナー

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人と人との出会いを紡ぐ「開かれたシェアハウス」

このところ何かと話題のシェアハウス。最近では都内を中心に、ファミリータイプの間取りをオシャレにリノベーションし、シェアハウスとして貸し出す動きも見られる。ここ「Jam House」も、元々は母子寮。空き家になっていた建物をリノベーションしたシェアハウスだが、一般的なそれと大きく異なるのは「みんなでつくる」というコンセプトだ。「2011年9月から住人たちをはじめ十数人で内装を手がけ、一年かけてオープンしました。その後も住人やご近所の方々と一緒に壁を塗ったり、ベッドや棚を制作したりしています」とは、「Jam House」管理人で住人でもある宮内孝輔さん。 流木をぐりぐり巻き付けた手すりや、古代遺跡から発掘されたような仮面、壁にペイントされた青い恐竜の絵…。カオスななかにも手づくりならではの味わいを感じさせる不思議な空間は、玩具箱のような楽しさに包まれている。手づくりのステージにはギターやボンゴ、見なれない民族楽器が置かれ、しょっちゅう誰かが何かの音楽を奏でている。
「コンセプトは“部外者歓迎お祭りシェアハウス”。住人だけでなく、興味を持ってくれた人が気軽に立ち寄って交流できる空間になればと考えています」(同)
一般的なシェアハウスは部外者の立ち入りを厳しく制限している物件も多いが、ここは文字通りの「開かれた空間」。近所の老夫婦がお茶を飲みに来ることもあれば、彼女に振られ絶望の果てに夜道をさまよう若者が、光を求めてふらりと入ってきたこともあった。
現代の孤立社会とは無縁の世界が広がる「Jam House」。これからもさまざまな出会いが、この場所で紡がれていくはずだ。

  • 廃材などを使った
    お金をかけない空間づくり
    自然の流木など「天然」の素材を駆使した内装。壁は珪藻土や漆喰を使い、手塗りで仕上げた。タダ同然の素材やもらいもの、廃材などを上手に活用し、手づくりすることでコストをかけず理想の生活空間を生み出している。
    廃材などを使ったお金をかけない空間づくり
  • 入居者同士の関係が変われば住み方も変わる
    入居者同士の関係が変われば
    住み方も変わる
    宿泊スペースは相部屋と、個室に分かれている。当初、別々の個室に入居していた複数のグループが「仲良くなったから」という理由で広い個室に移動して「同居」するケースもあるという。
  • トラブルが起きても
    みんなで解決
    騒ぎすぎて近所からクレームが出たときは、一軒一軒に手紙を持参して謝罪に回った。若さゆえの失敗やトラブルも、住人一丸で誠意をもって解決にあたることで乗り越える。今では近隣との関係も良好だ。
    トラブルが起きてもみんなで解決
  • 住人の属性はさまざま。各々の一芸を持ち寄り生活を豊かに
    住人の属性はさまざま。
    各々の一芸を持ち寄り生活を豊かに
    美容師、料理人、役者、会社員、八百屋、大工、マッサージ師、気功師、ミュージシャン、画家など、多彩な属性の人々が集まる。1人ではできないことも、それぞれの才能を持ち寄ることで形にできるという。
  • 母子家庭の親子が生活するための集合居住施設だった物件を宮内さんが一括借り上げという形でシェアハウスに仕立てた

    母子家庭の親子が生活するための集合居住施設だった物件を宮内さんが一括借り上げという形でシェアハウスに仕立てた。

  • 家だけでなく車もシェア。カラフルな「ケータリングカー」は住人なら1日6000円で利用可能だ。

    家だけでなく車もシェア。
    カラフルな「ケータリングカー」は住人なら1日6000円で利用可能だ。

  • 共用部には壁面いっぱいに美大生が描いたイラストが。ファンタジーな世界観を演出している。

    共用部には壁面いっぱいに美大生が描いたイラストが。ファンタジーな世界観を演出している。

  • アンティーク調の家具は近所の住人からの頂き物。地域のつながりを大事にすることで、こうした厚意にあずかることも。

    アンティーク調の家具は近所の住人からの頂き物。
    地域のつながりを大事にすることで、こうした厚意にあずかることも。

かかった費用は?

開業費用は大半が一括借り上げ契約の保証金(家賃10カ月程)。改装のための材料は廃材や頂き物を使い、工事費は自らと住人、仲間の手を借りることで安く抑えた。月々の支出は部屋が半分ほど埋まれば賄えるという。

アドバイスとこれからの展望

「シェアハウスの運営を始めてまだ2年ですが、ここでの出会いが思わぬ方向に展開していくことがあります。例えば、Jam Houseを一緒につくった仲間たちが、そのノウハウをもとに廃材を使った内装業を請け負う「森の民」というチームをつくったり、ほかにも飲食業、農業、イベントプロデュース業だったりと、住人主体で多彩な取り組みが生まれています。これからもシェアハウスで人と人をつなぎ、さまざまな事業を発信していきたいですね。
いま、住むだけでなく『シェアハウスを運営してみたい』という人もけっこう増えていると思います。もし本当にやりたいならネットだけでなく、街の不動産会社に足を運んで物件を探してみてください。オーナーさんもどうせ物件が余っているなら、やる気のある若い人にどんどん貸し出してほしいですね」

間取りとDATA

間取り1 間取り2

空いてるスペース

※間取りは2012年のもの。
現在、施主は京都に所有しているシェアハウスに在住。
施主名 宮内孝輔さん
家族構成 夫婦
構想期間 1年
開いているスペースの面積 約320m²
開いているスペースの% 約90%
住所 東京都世田谷区
TEL 03-5877-8724
ホームページ http://www.jamhouse.info/
アクセス 東急田園都市線駒沢大学駅から徒歩3分
建物形態 集合住宅

取材・文/榎並紀行<やじろべえ> 撮影/飯田照明 間取図イラスト/tokico

情報掲載日/2013年3月13日

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メディア掲載履歴

2013年11月28日
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2013年10月19日
「“自宅で自分らしく働く”ワーキングスタイル&マネー術」公開セミナーを開催しました。

一覧はこちら

更新情報

2016年6月15日
【実例追加】 近隣住民も集う マンションの日曜喫茶
2016年5月25日
【実例追加】 おうちでコンサート!室内楽を気軽に楽しむ
2016年4月28日
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  • 住活マニュアル 賃貸部屋探し編
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